さよなら野沢南高

県大会前最後の部活動

コーチとして、
バスケット部員として活動する3年生と、
放課後の体育館で時間を共有することは、
今日が最後。
今後彼らとは、何らかの形で付き合うことがあるにしても、
このシチュエーション、この立場で、
この緊張感を持って対峙することは、もはやない。
この光景をしっかり目に焼き付けておかねば。




隣のコートの女バスは元気いっぱいだ。
『女バスと男バスは仲が悪いんです』・・・なんて言って、
高校生にありがちな、自意識のぶつかり合いも、また良し。
そう突っ張りながらも、
東信大会では、お互いの試合を必死に応援してたよな。
かわいい奴らだと思った。

伝統があるとはお世辞にも言えない南高バスケ部。
入学した時から無管理状態の緩い環境で活動してきた3年生。
おいらが昨年に見始めた頃は、
高校の部活動の雰囲気ではないなぁ・・・と思った。
態度については厳しくは言ってこなかったけれど、
彼らは自分たちで、意識改革をしてくれたようだ。
未だに、高校の部活動らしい、ピシッとした統制はとれていないけど、
見方を変えれば、
彼らが自分で考え、判断し、自主的に動いていると言える・・・のかな?
親の言うことを聞かないやんちゃな子ほど、自立は早いと聞く。
親の言う通りに、従順で何でも素直に聞く子では、親も安心して逝けないと。
試合を経るごとに逞しく成長していくこのチームの強さは、
決して大人たちの指導の賜物ではなく、
様々な経験を通して彼ら自身が学習して身に付けたものだ。
負けたら引退の状況で、クロスゲームの極限状態を幾度も経験し、
その度にしぶとく勝ちを拾ってきた彼らは、
自分の力と仲間を信じて試合に臨めば良い結果が得られることを、
わかっているのだ。


れい子の母校でありがなら、
2年前にたまたま文化祭の見学で訪れるまで、
その所在すら知らなかった野沢南高。
去年から、何十回来ただろう。
隣のコートで部活している新体操には、面食らったけど、
今では踊りの音楽が耳について離れないほど、お馴染みとなる。
大学受験の際、
教師とエンジニアのどちらを目指そうか迷って、
結局工学部を選んだおいら。
外部コーチや天晴れ勉強会で中高生と接しながら、
先生の真似事をさせてもらっている現在の生活は、
とても充実している。
良い経験をさせてもらいました。
ありがとう。