山元加津子という人

松本の浅間温泉文化センターで開催された『山元加津子講演会』へ
宗楽と行く。
この方は、
富山の特別支援学校の先生で、
学校の子供たちの様子や、障害のこと、病気のことについて、
全国を講演して回っている。
人様の講演を収録したCDやオーディオブックを聴くことが趣味のおいら。
数年前に彼女の講演CDを購入して、
『この人すげぇな・・・』と密かに尊敬していて、
たまたま数日前に新聞の催し欄で今日の講演を知る。
http://www.eikousha.com/osusume/katuko1.htm
(興味ある方にはお貸しします。面白いよ・・・)


午前の仕事が思いのほか長引いてしまったので、
三才山峠をぶっ飛ばして、
ぎりぎりセーフで会場に到着。


良かったですわ・・・講演・・・

おいらより一回り年上とは思えない、
なんだか幼げな、ちょっと頼りなさげな彼女が、
何故に精力的に全国を飛び回れるのだろういう疑問が、
解けた。

今日聴いた話から、そのあたりをかいつまんで書きますと・・・
◆1/4の奇跡の話
昔アフリカのある村でマラリアが猛威をふるった。
村は壊滅的な打撃を受けたが、どんなに病死者が出ても、
必ず生き残るグループがいた。
後年、そのメカニズムを解明するべく多くの研究がされて、
原因を突き止めた。
それは、
マラリアが多く発生する地域では、
ある一定の割合で、伝染病に強い突然変異遺伝子を持つ人がいること。
そして、その強者の遺伝子を持つ人が生まれる時、
高い確率でその兄弟に重い障害を持つ人が現れること。
その確率は1/4。
赤血球の形は通常、楕円形なのだそうだけど、
マラリアに罹りにくい人には、鎌の形をした赤血球が含まれる。
赤血球を持つタイプは3つのグループに分類されて、
Aグループ : 楕円形が2個。全体の1/4。
Bグループ : 楕円と鎌形が1個ずつ。全体の2/4。
Cグループ : 鎌形が2個。全体の1/4。

Aグループは残念ながらマラリアで死ぬ人。
BとCグループはマラリアで死なない人。
Cグループは重い障害を持ち、残念ながら長生きできない人。

要するに、
この村を救ったのは、BグループとCグループの人々で、
マラリアに強く、障害の無い遺伝子のBグループを生み出すには、
100%鎌形赤血球を持つCグループの存在が必要不可欠であること。
つまり、
人間がマラリアとの生存競争に勝つには、
マラリアに強い遺伝子の他に、
病気や障害を持つ遺伝子も必要だった・・・ということ。
病気や障害を『引き受ける人』がいなければ、
その村は絶滅していたと。。。
往々にして、人類進化の過程にはこのような事実があり、
今、我々が元気でいられるのは、
過去や現在、病気や障害を持ち、
苦しんで生きてくれた人のおかげではないだろうか・・・
という話。


◆雪絵ちゃんの話
雪絵ちゃんは、多発性硬化症(MS)という難病を持っている少女。
MSとは、脳や脊髄、視神経など、いくつもの病変が広範囲に起こって、
体を動かすことができなくなったり、目が見えなくなる病気。
こんな境遇にありながら、雪絵ちゃんは決して後ろ向きにならない。
雪絵ちゃんが作った『ありがとう』という詩。
−−−
♪ありがとう♪
私決めていることがあるの。
この目が物をうつさなくなったら目に、
そしてこの足が動かなくなったら、足に
「ありがとう」って言おうって決めているの。
今まで見えにくい目が一生懸命見よう、見ようとしてくれて、
私を喜ばせてくれたんだもん。
いっぱいいろんな物素敵な物見せてくれた。
夜の道も暗いのにがんばってくれた。
足もそう。
私のために信じられないほど歩いてくれた。
一緒にいっぱいいろんなところへ行った。
私を一日でも長く、喜ばせようとして目も足もがんばってくれた。
なのに、見えなくなったり、歩けなくなったとき
「なんでよー」なんて言ってはあんまりだと思う。
今まで弱い弱い目、足がどれだけ私を強く強くしてくれたか。
だからちゃんと「ありがとう」って言うの。
大好きな目、足だからこんなに弱いけど大好きだから
「ありがとう。もういいよ。休もうね」って言ってあげるの。
たぶんだれよりもうーんと疲れていると思うので……。
−−−

雪絵ちゃんの病気が進んで、
体の殆どが動かなくなってしまった頃、
珍しく弱気になっていた彼女に山元さんが話して聞かせたのは、
『1/4の話』。
その話を聞いて、雪絵ちゃんが言ったことは・・・
−−−
私たちだけでこんないい話を知っているのはもったいないよ。
病気や障害がとても大切だ、ということ。
みんなが素晴らしい役割をもっていること。
それが、科学的に証明されていること。
すべての人が、この宇宙から必要とされていること。
そんなことを、世界中の人が当たり前に知っている世の中に、
かっこちゃんがしてほしい・・・
−−−
結局、
これが雪絵ちゃんとの最後の会話になってしまった山元さんは、
雪絵ちゃんの遺志にしたがい、
全国を回って話し続けているとのこと。
人の為に生きている人は、
強いや。。。



(本買ってサインしてもらった。。。頑張ってください)

(これも貸します。読んでみてください。講演DVD付き!)


◆信大キャパス見学
中に入るの何年ぶりかな・・?


(体育館。たけるはここで4月からバスケするのかな…?)

(部室…懐かしい‥)

(食堂と中庭)

現時点での宗楽の夢は、
幼稚園の先生か、利公とパン屋を開くこと。
キャンパスの独特の雰囲気がそうさせたのか、
大学に行くべきか、
高校出て近所の笹沢ベーカリーで修行してパン屋になるべきか、
一人ぶつぶつ言いながら迷っている様子の彼女。
時間はたくさんあるから、
じっくり考えなさいよ‥・


◆宗楽のスキーウエアを買う
下3人に引き継ぐので、選定は慎重に。
これまでの購入の遍歴においては、
ピンクのウエアを買ってしまったこともあった。
天晴の出現を想定しなかった頃の話。
女の子っぽいウエアを選びたいのが本音なのだろうけど
長女としての自覚もあり、
長男の都合も考慮して、
空色で折り合いをつける。