人事を尽くしてシンクロ

我が子についての、この時期の関心事といえば、
運動会に向けてのリレー選考。
両親のどちらの血を引いてもあまり期待は出来ない足の速さにおいて、
何故か娘たちはいずれも良い素質を持っている。
そう言うとれい子は、
『いや、私は中学時代、リレーで県大会に出場したのだ‥』とか、
過去の栄光を引っ張り出してくるけど、
おいらに言わせれば、
それは地動説を唱えるコペルニクス以上に眉つばモンで、
ちょっと信じがたい。


今年が初の運動会である利公は、
ぽっちゃり系のわりに身軽で、きれいなフォームで走る。
知らない間にクラスの選考会をトップ通過。

一方で、
去年までリレーの選手で在り続けた宗楽はと言えば、
今年の選考会は黄信号。
今年度のクラス替えで、足の速い子が集まったのだ。
親○カを承知で言わせてもらえれば、
勉強も音楽も運動も、何でもそつなくこなす彼女は、
常に親の期待以上にアウトプットする。
長女気質なのか、人一倍負けん気が強いので、
中くらいに甘んじることは許されないらしい。
その宗楽が、
今年の選考に関しては、ちょっと弱気で、
彼女にしては珍しく、
『今年は駄目かも‥』と漏らす。
たまには落選して、悔しさから学ぶことも必要かもな…
と思いながらも、
本音でそう割り切ることなど到底できない親バ○は、
会社の帰りに佐久のマスタカスポーツへ寄る。
『速く走れる靴をください‥』

去年の運動会前にこの店で買ったミズノのシューズのソールが、
だいぶ減っているのだ。
滑って走りにロスがあってはならない。
子供に大人気のアキレスシューズの瞬足シリーズは、
見た目はお洒落だけれど、
『マジで走るには、アシックスかミズノに限ります』
と主張する店員さんを質問攻めして、
デザインは捨ててアシックスを購入。
これで0.3秒は縮んだ。
足馴らしに、夜、丸子北中で行われる草バスケの練習へ。
体育館の端から端まで、連続ダッシュ
走りについて教えられるネタを持ち合わせていないおいらは、
適当にアドバイス
そこに、
今日初めて見かけた、まこっちゃんの彼女が来ていて、
バスケは初心者だと言うので、
『何かスポーツはしてたの‥?』と問いかけたら、
『陸上やってました‥』ときたので、
こりゃ間違いねぇ…と確信して、
『種目は何‥?』と聞いたら、
案の定、短距離。
必要な時に、必要な資源が与えられるものと信じるおいらには、
シンクロニシティー現象はよく経験するところで、
渡りに舟的な偶然は、珍しくない。
スタートダッシュの仕方から、
足の運び方や手の振り方まで、レクチャー頂く。
ありがたいことです。
これで0.4秒は縮んだ。
いけるかも・・・
頑張れ、宗楽!


来年には、三姉妹の中ではおそらく最も足の速い波真が入学する。
利公と年子とは言え、実質的には二歳近く離れていながら、
小さい体に抜群のピッチ走法で姉たちにも引けを取らず、
利公より先にさっさと逆上がりもマスターした彼女は、
天然系だけに肝も据わっており、
スポーツをやらせたら一番将来が有望かもしれないと、親は読む。


親ば○の壮大な野望は、
リレー三姉妹が、運の巡り合わせにより同じチームで走ること。
このシチュエーションを思い描いては、一人ニヤニヤと白昼夢に耽る。
チャンスは三人が在籍する二年間。
意味のある偶然の一致は、起こるかな?