国体予選大会

今シーズン初の県大会。
例年にない大量補強によりパワーアップしたはずのスティンガーズ。
10代から40代まで幅広い年齢層の中で、
ポジション毎に熾烈な出番争いが繰り広げられるはずだったスティンガーズ。
フタを開けてみれば、
欠席者が多く、昨シーズンと顔ぶれはあまり変わっていない。
色々と事情があるだろう社会人のスタンスとして、
今さら驚くところではないけれど。
このところ県大会で上位に進めない我がチームは、
ノーシードで1回戦からの参戦。
初戦はFOUL OUT。
たける、中西にとっては社会人バスケのデビュー戦となる。
高校とは異質なバスケスタイルに始めから馴染めるはずは無いので、
絡みが微妙にズレながらも、その片鱗を随所で覗かせるたける
既にスティンガーズの得点源と周囲には認識されつつある。
そして、
元気のいい走りと鋭いドライブを見せていた中西。
彼のスピードは、高校バスケ以上に、このカテゴリーでは生きる。
高校ではポイントガードだった彼も、
そのシャイな性格から、
このおっさんチームの司令塔になるのはちと荷が重そうなので、
シューティングガードとして、
余計な気を遣わず、縦横無尽にコートを駆けて欲しい。
速攻を決め、初得点!
・・・その着地で足首を捻挫。
出場5分で終わる。
所用により本日はこの試合限りの出場となるガードの佐々木優は、
キレのある動きをしていた。
4月から我が子の小学校に赴任し、
ちょっとお楽しみな事情のクラスの担任となり、
喝入れまくりで指導されていると聞く。
『佐々木先生カッコいいって、みんな言ってる・・・』とは我が子共通の弁。
『へぇ〜・・・』である。
全員出場で勝つ。


2回戦の相手は古川同盟。
新規参入チームも毎年ある中、
ベスト8以下はどんなチームなのか未だによく判っていないこともあり、
我々の認識では、失礼ながらマイナーなチーム。
けれど、
同時刻に隣のコートでしていた試合を見たら、
100点差つけて勝っていた。
1回戦の相手なので、ピンキリのキリはどこまでもキリだとは云え、
『おい、結構強いんじゃねぇの・・・?』と、
いささか不安になる。


試合開始。
イケイケムードの相手に押されるスティンガーズ。
ガードポジションは、
武田先輩と西が欠席で、優がさよならして、中西が負傷欠場のため、
森角先輩とじゅんと角田さん。
フォワード、センターポジションは、
いつもの重田兄弟、丸山カズ、北ちゃん、おいらと、たける
相変わらずハイペースにファールを重ね、メンバーのやりくりは苦しい。
若くてサイズがあり、フィジカルなディフェンスから速攻を繰り出す相手。
2階席で見ていたれい子曰くは、
『両カズはともかくとして、うちと相手では線の太さが違う・・』
体力的に、はっきりと劣勢なのがわかる。
早くもたける頼みである。
とんでもなく高い位置でパスやリバウンドを取ってベンチのどよめきを誘ったり、
センスのあるオフェンスを仕掛けたり、
最後は足攣って退場したけれど、
浪人の身で運動不足ながら、社会人の中でも十分に通用していた。
それにお付き合いできない自分の動けなさが、なんとも恨めしい。
2試合フルで出場した挙句に肉離れした前大会とは違い、
今シーズンはベンチでお気楽に観てりゃよかろう・・・と、
タカをくくっていたのは、よくなかったなぁ・・・
20点差で負ける。


初日の下位回戦は5人いれば何とでもなるさと楽観し、
準決勝からが本当の勝負と割り切れた若い頃。
おやじチームに対しては、
激しいディフェンスでボールをもぎ取って速攻を連発し、
前半で一気に勝負を決める。
体力だけで勝てると嘯き、
年配者を敬う気持ちなど毛頭無く、
敵に勝つことだけに価値を求めていたあの頃。
振り返ってみれば、
そこにいるのはちょっとばかりバスケが出来るだけの、傲慢な自分。
今では、全くの逆転現象。
体力のある若者にカモられ、敬われることもないおやじ役。
経験を重ねただけパフォーマンスが向上する仕事と違い、
ある時点をピークに、そこから下降線となる競技。
体も動かず、気力も湧かず、若手にカモられ醜態を晒す・・・
これだけ条件が揃えば当然、引退も考えよう。
現に、同世代で現役を続けている奴は少ない。
では何故バスケを続けるのか・・?
こうなりゃ、おやじの悲哀を味わい尽くすべきか・・・
ろくに運動もしないで、体が動かないと嘆くのも情けないので、
心を入れ替えて真面目にバスケに取り組んで、
少しでもパフォーマンスを上げるか・・
ここまでと線を引くのも、まだイケると決めるのも、自分。
たまにそんなこと考えていると、
いつも頭に浮かぶのは、キングカズのこと。
彼の生き様は天晴れだ。
尊敬するぜ、カズ。


うちの丸山カズはと云えば、
今回の負けを相当悔しがっていた。
体力も気力もまだまだイケるカズ。
頼むぜ。