パラダイムシフト

佐久クラブの練習に参加。
たけるを誘う。
今月から上田市内の予備校に通い始めた彼。
東信界隈の各高校卒業生に、
訳あって高校を途中でリタイアした人に、
社会人から予備校にトラバーユした人にと、
出自は実にバリエーションに富んでいるようだ。
これから一年間、
仮の宿とはいえ、様々な価値観の中で揉まれ、色々な経験をするだろう。
貴重だ。
そして、
一年間の期限付き、レンタル移籍で、スティンガーズに登録。
来春に再び2次試験の実技に挑む彼にとっては、
運動も受験勉強の一環である。
必勝を期して臨んだ受験に破れ、
県大会2回戦で散った時に似たやるせなさに苛まれたおいらではあるが、
それはそれとして、
一年間のモラトリアムと割り切ってしまえば、
ストレートで大学生になったのでは体験できないこともきっとあろうかと、
思ったりもした。
このへんの切り替えは、早いのです。
そして、その最たるお楽しみは、
たけるを社会人チームでプレーさせること。
彼と同じチームでバスケする機会は、
今をおいて他にはないのだ。
共に一途な二人の遠距離恋愛ならいざ知らず、
もし彼が現役で信大に入ったとしたら、
卒業するまで待つなんてことは、とても出来ない。
4年後に自分がバスケをしてるとは思えないもんね。
恋愛ドラマにありがちなシチュエーションを引用するならば、
『そんなに待たされたらおばあちゃんになっちゃうわよ・・・』である。


おいら自身、
社会人を経験してから大学に入れば、もっと真面目に勉強したろうなぁと、
今でも思うことがある。
その意味から、
彼にとって、
大人のバスケに触れて、
そして信大バスケ部を外から見ることは、
後のバスケ人生にきっと生きるはずだ。


コーチと選手の関係ではなく、
同じバスケットプレーヤーの立場で彼と対峙する。
『体が動かねぇ・・・』とお互いに苦笑いしながら、
好プレー珍プレーに盛り上がる。
今日の練習は笑い過ぎて腹筋が攣りそうになった。


不謹慎と怒られちゃうかもしれないけど、
この展開に至った彼の人生は、
やはり必然なのかなと、
思ったりもする。