その後たけるは・・・
センター試験が終わり1ヶ月、
その後彼とは会っていない。
教育学部の体育系を志望する彼の2次試験は実技のため、
もはやおいらがしてあげられることはない。
センター試験では6割取れたたける。
目標の7割5分が実現できたらトップ合格。
7割取れれば楽勝、
6割5分でも安全圏、
5割5分なら赤信号、と想定していた中で、
6割は、十分可能性を秘めた結果である。
センターの結果で方向修正をする気などさらさら無い彼は、
この部分でのブレは全くなく、
予定通りの志望学科で申し込む。
もとより、
他に検討すべき大学に関する情報と知識がおいらも彼もゼロなので、
センターの結果がどうあれ、玉砕覚悟で臨むしかない。
これまでの模試でも、
たまにとんでもなく低得点をゲットする数学が鬼門だった彼。
本番でもちょっとやらかしてしまったようだけど、
他の教科は持てる実力を出せたようだ。
本番でこれまでの自己ベストを叩き出せたことは、誉めてあげたい。
数学がまともに取れていれば、
間違いなく安全圏だったと思うけど、
彼の大学受験を南高バスケ部の再現と例えてしまっている以上、
先行逃げ切りでおいらを楽観させてくれることなどあろうはずはなく、
最後の最後までハラハラさせてくれるだろうことは、想定内だ。
前期、後期共に同一大学の同一学科。
前期D判定の後期C判定。
どっちに転ぶか判らない勝負ほど、
ギャラリーにとっては堪らんばい。
2次試験の内容は、
陸上、器械体操、鉄棒、サッカー、バレー、バスケと、
様々な競技で試されるらしい。
3年連続で野沢南高スポーツ大賞の彼は、
全種目でトップを狙っているようだ。
頼もしい・・・
バスケから判断される彼の運動能力を持ってすれば、
それは不可能ではないと思う。
但し、鉄棒の逆上がりが出来るようになったのはつい最近らしいけど・・・。
たまに様子伺いで電話すると、
『もう受かった気でいます・・』と、強気な発言がぽんぽん出てくる。
大して教えることは出来なかった勉強はともかくとして、
精神教育の成果は出ている様子。
先日、夜の9時頃に電話したら、
電話口でハァハァ言っているので、
『おまえ何やってんのよ・・?』と聞いたら、
ランニング中だった。
これは、彼にとっての受験勉強である。
センター試験まではとことん頭を使って、
それが済んだら身体を使って、
ある意味、バランスがとれていると思う。
おいらが愛読してやまない、
佐久総合病院の現役医師で芥川賞作家の南木佳士氏の本に、
医学部合格へのハードルの高さを揶揄して書いてあったこと、
それは・・・
『医者に必要な資質は、器用な手先、丈夫な体、優しい心、ほどほどの頭』
そのまんま、教師にも当てはまるような気がする。
読むと謙虚な気持ちにさせられる南木本は、
自分が思い上がっているなと感じるとき、読んでいる。
お勧めです。
著作全部持っているので、貸します。
(第百回芥川賞受賞作品)